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30代で、未経験からWebディレクターを目指したい。でも、HTMLも書けないし、GA4やワイヤーフレームと言われてもピンとこない。今さら異業種に飛び込んで、本当に通用するのだろうか——そんな不安を抱えていませんか。
筆者も雑誌編集者を経て、39歳・未経験で上場企業のオウンドメディア担当に転職しました。そこで今回は、未経験からWebディレクターになった3人に、実際に話を聞きました。3人に共通していたのは、Webの専門知識ではなく、前職で身につけた「人と仕事を動かす力」が評価されたことでした。
この記事は取材記事です
- 取材対象:未経験からWebディレクターに転職した3人(29歳・32歳・34歳)
- 取材時期:2026年9月
- 3人とも実在の方で、匿名での掲載に了承をいただいています
- 3人の体験談は、記事内のリンク先のサービスとは関係ありません
この記事でわかること
- 未経験からWebディレクターになった3人の前職と、選んだ理由
- Webの知識がなくても評価された「前職の強み」
- 入社後に感じたギャップと、30代未経験で準備しておきたいこと
データで見る:職種を変える転職は、3人に1人
マイナビの「転職動向調査2025年版」によると、2024年に転職した人のうち、同じ業界で職種だけを変えた人が8.7%、業界も職種も変えた人が25.7%いました。合わせて3人に1人以上が、職種を変える転職をしています。
また、同じ調査の2026年版では、転職後の年収の増加額が最も大きかったのは30代で、平均32.4万円増えていました。
データのポイント
- 職種を変える転職は、決して珍しい選択ではない
- 30代は、転職で年収が上がりやすい年代でもある
- 問われるのは「未経験かどうか」より、前職の経験をどう言葉にするか
出典:マイナビ「転職動向調査2025年版(2024年実績)」、マイナビ「転職動向調査2026年版(2025年実績)」
話を聞いた3人
| Aさん | Bさん | Cさん | |
|---|---|---|---|
| 年齢・性別 | 32歳・男性 | 29歳 | 34歳・女性 |
| 前職 | 書籍・ムックの編集者 | イベント制作の進行管理 | 広告代理店の営業・企画 |
| 現職 | Web制作会社のディレクター | 自社SaaSのディレクター | Webマーケ支援会社のディレクター |
| 評価された強み | 企画力・社外スタッフの進行管理 | マルチタスク・調整力 | 課題ヒアリング・予算と納期の管理 |
Aさん(32歳・元編集者)「紙の進行管理が、そのまま生きた」
紙の市場縮小を肌で感じて
Aさんは小規模な出版社で6年間、書籍やムック本の編集をしていました。企画立案から、著者やライター、イラストレーターとの折衝、スケジュール管理、校正・入稿まで一貫して担当。
紙媒体の市場が縮んでいくのを肌で感じ、編集やコンテンツ作りのスキルを、数値で結果が見えるWebの世界で広げたいと考えたそうです。
評価されたのは「外部スタッフを束ねる力」
HTMLやCSSの知識はありませんでした。それでも、外部のライターやデザイナー、カメラマンを束ね、締め切りどおりに質の高いものを納品してきた実績が、「そのままWebのディレクションにスライドできる」と高く評価されました。
前職で作った本や企画書を「どういうターゲットに向けて、どう作ったか」という視点でポートフォリオにまとめたところ、書類選考の反応がとても良かったです。
苦労したのは、GA4、UI/UX、ワイヤーフレーム、SEOといった業界用語。面接で知識の薄さを見抜かれないよう、独学で追いついたそうです。
入社後に驚いたのは、紙は「入稿して印刷したら終わり」なのに対して、Webは「リリースしてからが本番」だったこと。アクセス解析を見ながら改善し続ける仕事の比重の大きさは、良い意味でのギャップだったと話していました。
Bさん(29歳・元イベント進行)「転職3回のツッコミが一番の壁だった」
体力的な負担から、働き方を変えたかった
Bさんはイベント制作会社で5年間、販促イベントや展示会の進行管理をしていました。コロナ禍以降のオフラインイベントの不確実さと、深夜・休日対応の多さから、働き方を安定させたいと考えるように。
「プロジェクトを納期までに形にする」という自分のスキルがそのまま生きる職種として、Webディレクターを選びました。
現場のトラブル対応が「武器」になった
評価されたのは、想定外のトラブルへの臨機応変な対応力と、クライアント・施工業者・演出家といった複数の関係者の間に立って意見をまとめる調整力。
Web制作でよくある「エンジニアとデザイナーとクライアントの板挟み」を解決する力になると判断されたそうです。
一方で、Bさんは転職歴3回。面接では「なぜ職種を変えるのか」「またすぐ辞めるのではないか」と突っ込まれ、その懸念を払拭するロジック作りに一番時間をかけたそうです。
入社後のギャップは、ワイヤーフレームや仕様書といったドキュメント作成の多さ。現場で声を出して指示するスタイルから、テキストや図でロジカルに指示を出すスタイルへ、頭の切り替えが必要だったと話していました。
Cさん(34歳・元広告代理店)「15社以上、書類で落ちた」
営業から、作る側の責任を持ちたかった
Cさんは中堅の広告代理店で8年間、営業・販促プランニング・制作進行を幅広く担当していました。30代になり、営業という立場から一歩踏み込んで、Webメディアの構築・運用に責任を持つ領域へ専門性を移したいと考えたそうです。
「30代未経験」の壁と、突破したきっかけ
苦労したのは年齢の壁でした。未経験可の求人でも、20代の応募者と比べられて書類で落とされることが多く、15社以上落ちたといいます。
面接まで進めば、内定をもらえるという自信はありました。前職での課題解決のエピソードと、FigmaやWordPressを自分で触って独学している姿勢を見せたところ、最終面接での評価がとても高かったです。
評価されたのは、「なぜそのサイトを作るのか」「売上や集客にどう貢献するのか」というビジネスのゴールから逆算して企画できる点。
一方、入社後はデザイナーやエンジニアとの「技術的な共通言語」での対話に苦労したそうです。「いい感じにしてほしい」ではなく、なぜそのデザインなのか、その仕様で工数がどう変わるのかを、根拠を持って伝える必要がありました。
3人の話からわかった「未経験でも評価される」3つのポイント
- 前職の「進行管理」と「調整力」を言葉にする
3人とも、評価されたのはWebの知識ではなく、人と仕事を動かしてきた経験でした。 - 前職の成果物を、ポートフォリオとして見せる
Aさんは、作った本や企画書を「誰に向けてどう作ったか」でまとめ、書類選考を突破しました。 - 独学で、行動を先に示しておく
Cさんは、FigmaやWordPressを自分で触っていたことが、最終面接の決め手になりました。
比較:前職の経験は、Webディレクターのどこに生きたか
| 前職で身につけたこと | Webディレクターで生きた場面 |
|---|---|
| 著者・デザイナーとの折衝、入稿管理(Aさん) | 協力会社やクリエイターの進行管理 |
| 現場のトラブル対応、関係者の調整(Bさん) | エンジニア・デザイナー・クライアントの板挟みの解消 |
| 顧客の課題ヒアリング、予算・納期管理(Cさん) | ビジネスのゴールから逆算したサイト企画 |
※あくまで3人の体験にもとづく感想で、すべての企業に当てはまるわけではありません。
転職6回の筆者が、取材を終えて思ったこと
評価されたのは「文章力」ではなかった
筆者が39歳で、未経験からオウンドメディア担当に転職したとき、面接で評価されたのは、雑誌編集者時代の企画力、インタビューの力、座談会を仕切る力とそのノウハウ、そして社内調整力だったと思います。Aさんの「企画力と進行管理」とほとんど重なります。
意外に思われるかもしれませんが、原稿を書く力は、あまり関係なかったと感じています。原稿の書き方は会社ごとに違い、どんなに力があってもその型に従う必要があります。
逆にいえば実力不足の人が書いたものでも、上役の直しが入ればそれなりのものに仕上がる。小説家や高名なジャーナリストは別として、文章力そのものが決め手になることは少ないのだと思います。
「読者はこう思うはず」が通じなかった
入社して一番戸惑ったのは、企画の出し方です。新聞社や出版社では、「読者はこう思うから、こういう企画がいいかもしれない」という提案が通りました。
ところがWebの世界では、出版社の感覚で企画を出しても「面白そうだけど、サジェストKWがこれだから、このようにして」と返ってきます。
Aさんが話していた「紙は印刷したら終わり、Webはリリースしてからが本番」と同じで、紙の常識がそのままでは通用しない場面がありました。
今いる場所は、新聞でも雑誌でもない
それでも、SEOを知れば知るほど、「KW起点」の考え方は正しいのだと実感するようになりました。今自分がいる場所は、新聞でも雑誌でもない。
そう思えたとき、それまでの経験を捨てるのではなく、場所に合わせて使い方を変えればいいのだと腹落ちしました。
だから、30代で未経験からWebの仕事を目指している人、特に紙や編集の仕事から移ろうとしている人には、こう伝えたいです。
「あなたが培ったスキルは、違う仕事でもきっと財産になるはずです」
ただ、自分の経験のどこが評価されるのかは、自分ひとりではなかなか見えません。職種を変える転職を考えているなら、一度プロに経歴を見てもらい、自分の強みを客観的に聞いてみるのも一つの方法です。
よくある質問
Q. 30代・未経験でも、Webディレクターになれますか?
A. 今回の3人は、29〜34歳で未経験から転職しています。ただしCさんのように、書類選考で年齢の壁を感じる場面はあります。前職の進行管理や調整の経験を、具体的なエピソードで伝えられるかが鍵です。
Q. HTMLやCSSは書けないとダメですか?
A. 3人とも、専門知識がない状態で採用されています。ただ、業界用語の理解や、FigmaやWordPressを自分で触ってみるなど、独学で意欲を示しておくと評価につながりやすいようです。
SEOなどWebの基礎を、独学ではなく講座で体系的に学びたい場合は、一般社団法人全日本SEO協会が会場とオンラインでセミナーを開いています。
Q. 転職回数が多いと不利になりますか?
A. Bさんは転職歴3回で、面接では職種を変える理由を突っ込まれました。「なぜ変えるのか」「次は長く続けられるのか」に答えるロジックを、事前に用意しておくことが大切です。
詳しくは面接で「何回目ですか」と聞かれたときの答え方もどうぞ。
まとめ:Webの知識より、前職で培った経験を言葉にする
未経験からWebディレクターになった3人に共通していたのは、前職で身につけた進行管理と調整の力を、自分の言葉で伝えられたことでした。
こう言うと語弊があるかもしれませんが、Webの知識や用語は後からいくらでも身につけられます。
最後に、3人から同じように未経験で挑戦する人へのメッセージを紹介します。
Aさん:技術や用語は後から勉強できますが、人を動かすコミュニケーションやスケジュール管理の感覚は、一朝一夕には身につきません。前職で培った調整力を、しっかり言葉にしてアピールしてください。
Bさん:未経験というネガティブ要素を気にしすぎる必要はありません。複雑な案件をどうコントロールしてきたか、その再現性を面接で伝えることが大切です。
Cさん:30代で未経験の職種に飛び込むなら、手ぶらは厳しいです。自分でサイトを立ち上げてみるなど、行動で意欲を示すことが面接官の不安を解消します。
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本記事は、未経験からWebディレクターに転職した3人への取材をもとに構成した取材記事です。体験談は取材にご協力いただいた方個人の体験・感想です。紹介しているサービスのリンク経由でお申し込みいただくと、当方に紹介料が発生する場合があります。サービス選びの際は、必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。

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