※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。
「雑誌の仕事は好き。でも、この先も続けられるのだろうか」
「業界の先行きが暗いと聞くけれど、自分の場合はどうなのだろう」
筆者は、雑誌編集者(副編集長)として出版社で働いていました。出すたびに部数が減り、広告が減り、ページが減っていく。その現場にいました。
この記事では、最新の業界データと筆者の実体験をもとに、雑誌編集者に将来性はあるのか、続けるか別の道を考えるかの判断軸をまとめます。
この記事でわかること
- 雑誌の販売額と広告費は、この数年でどう変わったか
- 部数・広告・ページが減っていく現場で、実際に起きていたこと
- 雑誌編集の経験は、Webで通用するのか
- 続けるか、別の道を考えるかの判断軸
データで見る:雑誌の販売額は、2019年から3割以上減った
出版科学研究所によると、2025年の紙の出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は9,647億円で、前年比4.1%減でした。1975年以来となる、1兆円割れです。
内訳は、書籍が5,939億円でほぼ横ばい、雑誌が3,708億円で前年比10.0%減。コロナ前の2019年と比べると、雑誌は34.2%減っています。
広告費も見てみましょう。電通の「2025年 日本の広告費」では、雑誌広告費は1,135億円(前年比96.3%)でした。一方でインターネット広告費は4兆459億円にのぼり、総広告費の50.2%と、初めて過半数になっています。
データのポイント
- 書籍はほぼ横ばいだが、雑誌は1割減と落ち込みが大きい
- 雑誌広告費は減少が続き、広告の主役はインターネットに移っている
- 読者が減り、広告が減り、制作費が減る。その流れが数字にも表れている
出典:出版科学研究所「2025年出版市場」(HON.jp)、電通「2025年 日本の広告費」
出版科学研究所の紙の推定販売金額は取次ルートのみの数字で、出版社と書店の直接取引などは含まれません。
実体験:出すたびに、部数も広告もページも減っていった
「もう有料で雑誌を買う時代ではない」と思っていた
出版社に在籍していた当時から、私はそう思っていました。情報はWebに、無料であふれています。わざわざお金を払って、誰が雑誌を買うのか。
買う人がいなければ、そこに広告を載せたい人もいなくなります。出版社がなくなるとは思っていません。ただ、事業の形を変えていかないと、難しいのではないか。そう感じていました。
5年ほどで、ページ数が3分の2から半分くらいになった
出すたびに、発行部数が少なくなっていきました。広告も減り、それに合わせてページも減っていきます。
私の体感では、5年ほどでページ数は、3分の2から半分くらいになっていました。
(数字は記憶をもとにした目安です)
予算が減り、企画は「焼き直し」になった
予算がなくなるにつれて、当時の編集部では、過去のヒット企画の焼き直しが増えていきました。
また、グルメのレポートでも、新しく取材はしないことが増えていきました。お店に過去の記事を添付したメールを送り「変わっているところがあれば修正してください」とお願いする形になっていったわけです。
これでは、面白いものは作れません。予算が減り、企画が弱くなり、また部数と広告が減る。まさに、負のループでした。
雑誌編集者の経験は、Webで通用するのか
結論から言うと、基本的には通用します。筆者は今、Webのオウンドメディア担当として働いていますが、雑誌の経験が生きていると感じています。
そのまま通用したもの
- 企画の立て方(基本は雑誌でもWebでも同じ)
- 取材と執筆の力
- 進行管理
- 著者やライターとのやりとり
考え方が違ったもの
- 完成の考え方:Webには終わりがなく、記事を増やすほど管理の手間も増える
- スピード感:実は雑誌のほうが速い
Webは、公開したら終わりではありません。記事が増えるほど、直したり、管理したりする手間も増えていきます。雑誌しか知らなかった私には、初めての経験でした。
スピード感は、「Webのほうが速い」と思われがちですが、私の実感は逆でした。雑誌は、発売日が絶対で動かせません。Webは一応の締め切りはあっても、公開時期をずらすことができます。
いちばん苦労したのは、検索の数字で企画を決める考え方に慣れることでした。この点は、未経験からマーケターへ転職。転職回数が多い39歳がオウンドメディア担当になるまででくわしく書いています。
続けるか、別の道を考えるか
私の考え:好きなら続けてもいい。ただし、生き残るのは一握り
雑誌が好きなら、続けてもいいと思います。ただ、これは私の見方ですが、雑誌で生き残るのは、各分野の上位3〜4誌ではないでしょうか。
10年後、20年後も安定して食べていくためには、雑誌以外のスキルも身につけておいたほうがいいかもしれません。
今いるWeb業界も、安泰ではない
Web業界も同じです。AIがこれだけ発達するなかで、いつ要らなくなるかはわかりません。
私はWebディレクターは要らなくなるのではないか、とも思っています。もっと上流工程の人が、ひとりでAIを回して記事を作るようになる、というイメージです。(これも私の見方です)
肩書きとプライドを、いったん置いて考える
だからこそ、これまでの知識、スキル、経験、プライドを、いったん置いてみてください。フラットな視点で自分の人生を見つめて、「何ならできるか」「何なら食べていけるか」を考える。私自身も、そうするつもりです。
- 雑誌名や肩書きを外して、自分の仕事を説明できるか
企画、取材、執筆、進行管理など、やってきたことを分けて書き出します - その力を、雑誌以外のどこで使えるか
Web媒体、広報、コンテンツマーケティングなど、近い仕事から考えます - 数字で成果を語れる仕事に、少しでも触れているか
Webでは、企画や記事の成果が数字で見られる場面が多くなります
ひとりでは棚卸しが進みにくいときは、キャリアの整理から相談できるサービスもあります。

雑誌編集者から転職するなら、考えられる選択肢
筆者は、出版社のあとフリーランスを経て、企業のオウンドメディア担当になりました。編集の経験が生きやすい仕事は、ほかにもあります。
- 未経験から広報へ転職できる?転職回数が多い人が評価されるポイント【元記者が解説】
- 未経験からマーケターへ転職。転職回数が多い39歳がオウンドメディア担当になるまで
- 30代未経験からWebディレクターへ【3人に取材】評価されたのは前職の「調整力」だった
- マスコミ出身者の転職 完全ガイド|新聞記者・雑誌編集者のキャリアの選び方
選択肢を第三者の目で広げたいときは、転職エージェントに相談するのも一つの方法です。
うまくいくパターン・いかないパターン
比較例
- ❌ 「雑誌が好きだから」だけで、10年後を考えない
- ⭕️ 好きな気持ちは残しつつ、ほかのスキルや収入源も考えておく
- ❌ 「雑誌の経験はWebでは通用しない」と決めつける
- ⭕️ 企画・取材・進行管理は共通。違うのは、数字や完成の考え方だと知っておく
- ❌ 肩書きやプライドを守るために、動かない
- ⭕️ いったん置いて、「何ならできるか」をフラットに考える
よくある質問
Q. 雑誌編集者は、今後なくなりますか?
A. 出版社がすぐになくなるとは、筆者は思っていません。ただ、データを見ると、雑誌の販売額も広告費も縮小が続いています。筆者は、生き残るのは各分野の上位3〜4誌ではないかと考えています。
Q. 雑誌編集の経験は、Webで通用しますか?
A. 基本的には通用します。企画の立て方、取材・執筆、進行管理、著者やライターとのやりとりは、雑誌でもWebでも同じでした。違うのは、完成の考え方と、一から百まで数字で判断する考え方です。
Q. 雑誌編集者から転職するなら、どんな仕事がありますか?
A. 筆者は企業のオウンドメディア担当になりました。ほかにも、広報やWebディレクターなど、編集の経験が生きやすい仕事があります。
Q. 雑誌が好きなまま、続けるのはありですか?
A. ありだと思います。ただ、10年後、20年後も安定して食べていくために、雑誌以外のスキルも身につけておくと安心です。
まとめ:続けるか動くかの前に、フラットに見つめ直す
雑誌の販売額も広告費も、縮小が続いています。筆者の現場でも、出すたびに部数も広告もページも減っていき、予算がなくなって企画は焼き直しになっていきました。
それでも、雑誌編集の経験は、Webでも通用します。大切なのは、肩書きやプライドをいったん置いて、「何ならできるか」「何なら食べていけるか」をフラットに考えることです。私自身も、そうするつもりです。
編集職への転職を考えている人は、「未経験から編集者に転職するには?元雑誌編集者が語る仕事と応募準備」も参考になります。
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※データ出典:出版科学研究所「2025年出版市場」、電通「2025年 日本の広告費」
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