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朝、「おはようございます」と言っても、返事がない。
聞こえていないわけではありません。目は合っているんです。
2社目の出版社で、派閥争いに巻き込まれたときのことです。どちらの側についたわけでもないのに、片方の先輩社員グループから露骨に無視されるようになりました。
結局、その会社は辞めました。でも、次の会社の面接で、私は「人間関係」という言葉を一度も使っていません。話したのは、まったく別の理由です。
この記事では、6回転職した筆者が、人間関係で辞めた転職を面接でどう伝えてきたかを書きます。嘘をつかずに、前を向いた理由として話すための考え方です。
この記事でわかること
- 人間関係が理由の転職は、どれくらいあるのか(データ)
- 派閥争いで辞めた筆者が、次の面接で話したこと
- 嘘をつかずに、前向きな理由へ言い換える考え方と例文
- 次の職場の人間関係を、入社前に確かめる方法
データで見る:人間関係は、転職理由の3位
人間関係で辞めるのは、珍しいことではありません。
マイナビの「転職動向調査2026年版(2025年実績)」で、2025年に転職した正社員に理由を聞いたところ、1位は「給与が低かった」(23.2%)、2位は「仕事内容に不満があった」(21.0%)。そして3位が、「職場の人間関係が悪かった」(20.0%)でした。
データのポイント
- 転職した人の5人に1人が、「職場の人間関係」を理由に挙げている
- 1位の給与、2位の仕事内容と、ほとんど差がない
- つまり、面接官にとっても「よくある理由」のひとつ
出典:マイナビ「転職動向調査2026年版(2025年実績)」
よくある理由だからこそ、面接官は聞き慣れています。問題は、理由そのものより、話し方のほうです。
実体験:派閥争いに巻き込まれた2社目の出版社
2社目には、2年ほどいました。辞めると決めたのは、無視が始まってから半年ほどたったころです。
どちらにもついていないのに、無視された
社内には、派閥がありました。私はどちらにもついていません。それでも、「つかなかった側」の先輩社員グループからは、あちら側の人間だと見なされたようです。
あいさつをしても、返ってこない。話しかけても、目をそらされる。いい大人が、と今なら笑えますが、当時は本当に深刻に悩んでいました。
半年で見切りをつけた
その状態に陥ってから半年ほどで、見切りをつけました。正直に書くと、そのときの気持ちは「人間のレベルが低すぎる。こんなところでは成長できない」でした。もちろん、この言葉を面接で言うわけにはいきません。
決定打は、広告に関わる連絡ミス
最終的な決定打になったのは、仕事のトラブルでした。
部全体の風通しが悪く、必要な連絡が回らない。その結果、広告に関わる連絡ミスが起きて、会社に大きな損害が出ました。
無視されるのは、まだ自分ひとりの問題です。自分も悪かったところがあったのでしょう。
でも、人間関係のこじれが仕事の事故にまでつながるなら、それはもうここで頑張っても変わらない。私が辞めると決めたのは、人間関係そのものより、それが仕事を壊したときでした。
次の面接で話したのは「医療へのあこがれ」
では、次の会社の面接で、何と言ったのか。
人間関係のことは、一言も言わなかった
次に受けたのは、医療専門誌を作る出版社です。退職の理由と志望の理由は、だいたいこんなふうに話しました。
「父が放射線技師、母が看護師で、医療の仕事に昔からあこがれがありました。少しでも医療分野に近いところで仕事をしたい、専門知識を身につけたいと思い、志望しました」
派閥のことも、無視のことも、連絡ミスのことも話していません。面接官の反応は、正直あまり覚えていません。覚えていないということは、特に悪い反応ではなかったのだろうと思います。
ちなみに、この面接の少し前、私はNHKの記者職の最終面接で落ちています。1週間落ち込んだあと、この面接に向けて無理やり気持ちを立て直しました。その話は転職の最終面接で落ちた体験談。NHK記者職の5次面接で不合格でも「自信になった」理由に書いています。
嘘をついたわけではない
ここは大事なところです。両親が医療の仕事をしていたのも、医療にあこがれがあったのも、本当のことです。
辞めた理由は、ひとつではありませんでした。人間関係もあった。でも、医療の専門誌に行ってみたい気持ちもあった。いくつかある本当の理由のうち、前を向いているほうを選んで話した。それだけです。
39歳の面接でも、やり方は同じだった
39歳で今の会社を受けたときも、基本的に人間関係の話はしていません。表向きの理由は「スキルを身につけたい」「よりよい環境で成長したい」でした。
6回の転職を最初から順に話した面接のことは、転職回数が多いと面接で不利?「それぞれ理由は?」と聞かれ、6回を最初から順に話したに書いています。
人間関係は、たいてい「何か」とセットでやってくる
振り返ると、ひとつ気づいたことがあります。
6回のうち、人間関係が理由に入っていたのは2回ほど。でも、人間関係だけで辞めたことは、一度もありません。いつも、待遇の悪化などのもうひとつの問題とセットでした。
だとすれば、面接で話すのは「セットのもう一方」でいいはずです。手順にすると、こうなります。
- 辞めたい理由を、全部書き出す
人間関係のほかに、待遇、仕事内容、成長できるかどうかなど、思いつくものを並べます - 人間関係「以外」の理由に、印をつける
筆者の場合は「医療へのあこがれ」でした。小さな理由でもかまいません - その理由を、「次にやりたいこと」の形にする
「〜が嫌だった」ではなく、「〜をしたい」で終わる文にします
どうしても人間関係以外の理由が見つからないときは、人間関係の問題を「どんな環境で働きたいか」に裏返します。次の例文の2つ目がそれです。
言い換えの例文
ここからの例文は、大手転職エージェントに所属するコンサルタントに筆者が取材した内容をもとにまとめたものです。
例文①:人間関係+待遇の悪化
「会社の業績が厳しくなり、今後の昇給やキャリアの見通しが立たなくなりました。これまでの経験を生かしながら、長く成長していける環境で働きたいと考えています」
例文②:風通しの悪さ
「部署間の情報共有が少ない環境で、連絡の行き違いを防ぐ難しさを感じてきました。チームで情報をこまめに共有しながら進める働き方をしたいと考え、御社を志望しました」
例文③:社風が合わない
「上の指示を正確にこなす経験は積めましたが、自分から企画を出す機会はほとんどありませんでした。提案を形にできる環境で、力を試したいと考えています」
注意:前の職場の悪口や、特定の人への不満は話さないこと。そして、事実と違うことは言わないこと。深掘りされたときに話がずれると、かえって信用を失います。言い換えは「嘘をつく」ことではなく、「本当の理由のうち、どこを話すかを選ぶ」ことです。
退職のときに上司へどう伝えるかは、また別の話です。こちらは退職の切り出し方と、退職理由は本音で言うべきかにまとめています。
自分の言い換えが面接官にどう聞こえるかは、ひとりで考えても答えが出ません。転職エージェントに一度聞かせてみれば、その場で直すところがわかります。転職エージェントナビなら、登録も相談も無料です。
次の職場の人間関係を、入社前に確かめるには
人間関係で辞めた人がいちばん怖いのは、次の職場でも同じことが起きることだと思います。
2社目を辞めたころの私は、入社前に人間関係を見極めるという視点を持っていませんでした。最初にやったのは、面接の逆質問です。「職場の雰囲気を一言で表すなら」と聞きました。くわしくは転職面接の逆質問の例に書いています。
ほかに見ていたのは、次の2つです。
- 会社の公式サイトにある社員ブログ
社員同士の距離感や、どんな人が働いているかが見えることがあります - 転職の口コミサイト
最近はこちらも見ています。ただし、書き込みは辞めた人の声に偏りやすいので、数件を見比べて傾向をつかむ程度にしています
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人間関係で辞めた人がいちばん知りたいのは、入る前の職場の空気です。ワンキャリア転職なら、無料の会員登録だけで、その会社で実際に働いた人の口コミが読めます。応募する前に、気になる会社の名前で一度調べてみてください。
うまくいく伝え方・いかない伝え方
比較例
- ❌ 「先輩に無視されて、つらかった」と経緯から話す
- ⭕️ 本当の理由のうち、前を向いているほうから話す
- ❌ 人間関係を隠すために、事実と違う理由を作る
- ⭕️ 人間関係とセットになっていた、もうひとつの理由を話す
- ❌ 「〜が嫌だった」で話が終わる
- ⭕️ 「次は〜をしたい」で話を終える
よくある質問
Q. 転職理由が人間関係だと、面接で正直に言ったほうがいいですか?
A. 筆者は言いませんでした。嘘はつかず、いくつかある本当の理由のうち、前向きな方を話しました。人間関係だけが理由ということは意外と少ないので、まずはほかの理由を書き出してみてください。
Q. 「本当は人間関係ですよね?」と深掘りされたら?
A. 否定して取りつくろうより、短く認めてから前を向くほうが自然です。たとえば「チーム内の情報共有に課題があったのは事実です。だからこそ、次は〜な環境で働きたいと考えました」のように、すぐ「次」の話へ戻すことが大切だと思います。
Q. 人間関係以外の理由が、どうしても見つかりません。
A. 人間関係の問題を、「どんな環境で働きたいか」に裏返します。風通しが悪かったなら「情報を共有しながら進めるチーム」、意見が言えなかったなら「提案できる環境」といった具合です。
Q. 次の職場の人間関係は、入社前にわかりますか?
A. 完全にはわかりません。筆者は、面接の逆質問、公式サイトの社員ブログ、転職の口コミサイトを組み合わせて、手がかりをできるだけ集めています。
まとめ:話すのは、本当の理由のうち「前を向いているほう」
転職した人の5人に1人が、人間関係を理由に挙げています。筆者も、派閥争いに巻き込まれて出版社を辞めました。
それでも、次の面接では人間関係に一言も触れず、医療へのあこがれを話しました。嘘ではありません。いくつかある本当の理由のうち、前を向いている方を選んだだけです。
人間関係は、たいてい何かとセットでやってきます。そのもう一方を見つけるところから、始めてみてください。
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※データ出典:マイナビ「転職動向調査2026年版(2025年実績)」
本記事は筆者の実体験と個人の見方に基づくものです。言い換えの例文は、転職エージェントのコンサルタントへの取材をもとにまとめたもので、筆者自身の体験ではありません。紹介しているサービスのリンク経由でお申し込みいただくと、当方に紹介料が発生する場合があります。サービス選びの際は、必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。

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