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Cさんは営業から商品企画へ転職する際、顧客の声を商品にどう生かせるかを面接で示しました。
Cさんは、1社目の小売、2社目の法人営業を経て、3社目でメーカーの商品企画に移った男性です。取材時は29歳。2社目の営業は約3年間で、商品企画は未経験でした。応募先の商品を調べ、A4で約5枚の企画書を一次面接に出しています。
この記事では、Cさんが商品企画を目指した理由、求人を選んだ4つの基準、面接で聞かれたこと、提出した企画書、入社後に学び直したことを紹介します。
顧客の要望に、既存の商品だけでは応えきれなかった
2社目の営業で、Cさんは自社製品を顧客に提案していました。その中で、「もっとこういう仕様だったら売れるのに」「顧客の課題はここにあるのに、商品ラインナップ自体が追いついていない」と感じることが日常的にあったといいます。
既存の商品を売るだけでは、顧客の本質的な課題解決に限界がある。そう考えるようになり、「現場(顧客)の声を一番知っている自分が、売れる商品・使われる商品をゼロから作り出す側に回りたい」と思ったそうです。こうして、未経験から商品企画への挑戦を決めました。
もうひとつの支えが、1社目の小売で、店舗に来る消費者の購買行動を間近で見てきた経験でした。小売の経験と、2社目の法人営業の経験をつなげれば、市場のニーズを捉えた企画ができる。
Cさんは、そのような「根拠のない自信もありましたね」と話しています。
求人は「営業経験をどう生かせるか」で選んだ
未経験での企画職への転職だったため、Cさんは求人を次の4つの基準で絞りました。
1. 営業経験者を歓迎する、または採用実績がある
最初から「企画経験3年以上」が必須の求人は避けました。狙ったのは、「現場の声を企画に生かせる営業経験者歓迎」といった求人です。
2. 生活や扱ってきた商材に近い有形商材のメーカー
商材は、BtoBtoCまたはBtoCの、形のある商品を作るメーカーに絞りました。1社目の小売で触れた「エンドユーザーの生活に関わる商品」か、2社目で扱っていた「形のある商品」に近い領域です。イメージが湧かない商材では、「説得力のある企画を生み出せない」と考えたからです。
3. 市場調査から仕様検討、引き継ぎまで関われる
見たのは、企画職の役割が「アイデア出し」だけではないかどうかです。デザイナーへの指示役や、事務的な進捗管理にとどまらず、市場調査、コンセプトづくり、開発と営業への引き継ぎまで、一貫して関われる求人を求めました。
4. 若手にも裁量があると考えた、中堅〜中小のメーカー
Cさんは、大手メーカーだと、「未経験の20代後半が企画部門に中途で入るのは難しく、入っても分業が進みすぎて全体像が見えにくい」と考えました。そのため、組織が大きすぎない中小から中堅のメーカーを選んでいます。
求人を見るときは、企業名だけでなく、担当範囲、必須の経験、関わる部署を読んだそうです。厚生労働省の職業情報サイトjob tagの「企画・調査担当」では、市場調査と分析、商品コンセプトの検討、設計・コスト・販売時期の検討、関係者との調整などが仕事の内容として挙げられています。
求人票の仕事内容で、このうちどこまでを担当するのかを確かめると、求人どうしを見比べやすくなるでしょう。
面接では、営業経験を企画の仕事につなげて伝えた
Cさんが全面に押し出したのは、「企画のアイデア力」ではなく、営業だからこそ持っている「泥臭い市場分析力と説得力」でした。具体的には、次の3つです。
- 顧客の生の声を拾うヒアリング力:調査データだけでは見えない潜在的なニーズをつかむ
- 社内の関係者を巻き込む推進力:企画を通すには、開発や製造、営業を納得させる必要がある
- 数値目標への責任意識:「作って満足」ではなく、売上・利益を出す企画を作る
面接では、次の3つを聞かれ、Cさんはこう答えました。
質問①「なぜ実績のある営業を辞めて、未経験の企画職を希望するのか」
営業として製品の課題や市場の満たされていないニーズを一番近くで感じてきたこと、既存の製品の枠内での提案には限界があったことを話しました。そのうえで、こう答えています。
「お客様の声を単なる『要望』で終わらせず、市場のニーズとして構造化し、売れる商品として形にすることで、会社の事業成長に最も貢献したいと考え企画職を志望しました。」
質問②「企画職はアイデアを出すだけでなく、ボツになることや地道なデータ分析が多いが耐えられるか」
Cさんは、営業でも地道な積み重ねを経験していると、下記のように答えました。
「問題ありません。営業でも100件のアプローチから数件の成約を得る地道なプロセスを経験しています。むしろ、思いつきのアイデアではなく、データと現場の事実に基づいた根拠のある企画でなければ社内を動かせないと考えています。」
質問③「2回目の転職(3社目)になるが、早期離職の心配はないか」
Cさんは、1社目は働き方が合わなかったこと、2社目は営業として成長し、自分の適性を確かめる期間だったことを説明しました。今回は「メーカーの商品企画で長期的に専門性を磨く」という軸で応募していると伝え、最後はこう結んでいます。
「これまでの現場経験をすべて注ぎ込める場所として御社を志望しており、腰を据えて成果を出す覚悟です。」
A4で約5枚。応募先の商品を調べた企画書を出した
商品企画が未経験であることを補うため、Cさんは一次面接の段階で、自分で作った資料を提出しました。A4で5枚ほどの企画書です。
テーマは、応募先の既存商品の一つ(生活雑貨系のアイテム)の改善提案と、そこから派生する商品の企画でした。構成は次の4つです。
- 市場背景と現状の課題
ユーザーレビューの傾向の分析と、競合他社の製品との比較表 - ターゲット像の見直し
既存の顧客から漏れている「20代後半〜30代の働く男性」の潜在的なニーズ - 新商品のコンセプト
使うシーンと、特化させる機能を示す形でまとめたコンセプト - 売上の見込みと営業の展開
店舗やECなど、どの販路で売るのがよいか。営業の視点から見た、売り込みやすさの説明
面接官は、「未経験なのにここまで自社商品を分析して、営業現場の売りやすさまで考慮した企画を持ってくるとは思わなかった」と、非常に高く評価したそうです。Cさんは、この提案が採用につながったと感じています。
企画書をどう出すかは、応募先によって違います。提出が求められているか、形式や枚数の指定があるかは、応募先の案内に合わせてください。
入社後に役立った営業経験と、学び直したこと
役立ったこと
他部署との調整
新しい企画を立ち上げると、営業部からは「そんなの現場じゃ売れないよ」、製造部からは「その仕様はコストが合わない・作れない」と反発される。それが日常だったといいます。
Cさんは、営業時代に身につけた、相手の立場や利害を理解して交渉する力と、フットワークの軽さが生きたと話します。現場まで足を運んで味方を作り、企画を進めました。
売り場を意識した企画
店舗の棚で目立つパッケージはどういうものか。営業が商談でバイヤーに出しやすい資料(プロダクトシート)は何か。Cさんはそれを感覚で分かっていたので、発売後の販促まで見据えた企画が立てられました。
インタビューでの深掘り
ユーザーインタビューで、決まった質問をなぞるだけでなく、営業で培ったヒアリングの技術を使って、ユーザーの本音(潜在的な不満)を引き出しています。
新しく覚えたこと
原価と利益の構造
営業のころのCさんが意識していたのは、定価と売価くらいでした。商品企画では、材料費、加工費、金型代、ロイヤリティなどの原価をいくらに抑え、粗利率を何%確保するかを計算する必要がありました。最初は、Excelの複雑な原価計算シートにかなり苦戦したといいます。
スケジュールとリードタイム
Cさんが担当する商品は、企画の立ち上げから試作、テスト、金型の起工、量産、パッケージ印刷、納品まで、半年から1年以上かかります。どの工程の遅れが全体にどう響くかや、工場との工程の調整は、ゼロから覚えました。
設計やデザインの用語
デザイナーや設計のエンジニアと話すには、素材の特性、成形方法、色の指定方法、権利関係や特許などの用語が必要でした。Cさんは、入社後の半年間、専門書を読み込み、開発の担当者に教わりながら覚えています。
営業経験を、応募先でできる仕事に置き換えて考える
Cさんがしたのは、営業で身につけたことを、応募先の商品企画の仕事に置き換えることでした。
扱ってきた顧客や商材への理解は、求人の絞り込みと、企画書のターゲットの見直しに。社内の関係者を動かす力は、開発や製造との調整に。売るところまで考える姿勢は、売上の見込みと営業の展開を示す企画書に。
それぞれ、応募先の役割に合わせて使っています。
自分の営業経験を書き出すときは、キャリアの棚卸しのやり方に、会社ごとの書き出し方と、応募先に伝える経験の選び方をまとめています。
営業経験をどの求人につなげられるか、応募前に相談して整理する方法もあります。転職エージェントナビは、希望や経験に合わせて転職アドバイザーを紹介する無料のサービスです。
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